大学・大学院で
学ぶ
アメリカの大学・大学院で学べる分野の多彩さやレベルの豊富さなどは、世界でもトップ。2年制大学から4年制大学への編入学が確立しており、また日本で取得した単位の移行が可能など、フレキシブルな編入制度が魅力的といえます。日本とは違い入学試験はなく、出願書類で合否の審査が行われます。
大学院課程を提供している高等教育機関は約2,900校。この数は、日本の大学院課程を提供している学校の4倍以上にもなります。そうした数の面、プログラムの多彩さ、そして何よりもその質の高さが、世界中から高い評価を受けています。
高等教育のシステム
日本人の学生がアメリカの大学に留学するには、さまざまな種類やルートがあります。目的や将来のキャリアに合わせて、自分に適した進路を選択することが重要です。まず、アメリカの大学のシステムを知ることからはじめましょう。

2年制大学 コミュニティ・カレッジ
アメリカには「コミュニティ・カレッジ」と呼ばれる公立の2年制大学が800校以上存在しています。地域住民を中心に幅広い年齢層の人が通学しており、一般的に学費が安く入学基準もゆるやかです。学生寮を持っている学校は多くないが、多くの学校が英語コース(ESL)を提供しています。「進学コース」「職業訓練コース」「高校卒業資格取得コース」があり、進学コースでは2年間の一般教養課程を修了後、4年制大学の3年次への編入が可能です。職業訓練コースでは、実社会で役立つ専門的技術を身につけることができます。
【2年制大学の入学条件】
高校卒業資格または見込み。高校での成績は問われない場合が多い。必要な英語力はTOEFL iBT 45~61/IELTS Band 5.0~5.5以上/英検2級A以上
コミュニティ・カレッジの進学コース
進学コースは、2年間の一般教養課程修了後に4年制大学へ編入学することを目的としている。おもに同じ州内にある協定を結んでいる大学では、取得した単位が編入先の大学で認められる。ただし、協定が締結されていない大学の場合は、取得した全単位が認められるとは限らない。また、カリキュラムは学期ごとに独立しているため、各学期の開始前に入学のチャンスがある。修了すると、Associate in Arts(A.A.)やAssociate in Science(A.S.)などの準学士号が取得できる。コミュニティ・カレッジには学生アドバイザーや進学カウンセラーがいるので、編入を希望する学生は進学の意思を伝え、志望校の選択について相談しよう。
コミュニティ・カレッジの職業訓練コース
職業訓練コースは、料理、会計、コンピューター、幼児教育、航空学、マーケティング、情報処理など、幅広い分野の技術・職業訓練を受けることができる。コースの内容も実践的な技術から高度な専門知識の習得まで、バラエティに富んでいる。職業訓練コースで取得した単位は、カリキュラムの中に4年制大学進学に必要な基礎科目が含まれていないため、大学ではほとんど認められない。途中で進学コースに変更することは可能だが、職業訓練コースで取得した単位は一般教養以外は互換対象とならないことが多い。そのほか、高等教育を受けたことがない人などのための成人教育コースを持つ学校もある。学位取得を目指さない学生向けに、2年以内のサーティフィケート・コースを開講しているカレッジも。
2年制大学 ジュニア・カレッジ
私立の2年制大学は「ジュニア・カレッジ」と呼ばれていて、約450校存在します。4年制大学への編入学を重視した一般教養コースを提供し、高い編入学率を誇る学校も多いです。最終的に4年制大学進学を目指している人や最初から大学留学はきびしいと感じている人は、ジュニア・カレッジで準学士号を取得し、大学に編入学するルートを考えてみましょう。ただし、編入学の手続きには半年ほど時間がかかることもあるため、ジュニア・カレッジ入学後、編入学を希望する4年制大学の編入条件や規定などをよく調べておきましょう。
4年制大学
アメリカには公立・私立を合わせて2,600以上の4年制大学があり、CollegeまたはUniversityと呼ばれています。入学試験はなく、出願書類で入学が審査されます。単位の互換が認められているため、大学間の編入学や転学が活発に行われています。専攻できる科目は非常に多く、フレキシブルな対応で、途中で専攻を変更することも可能です。アメリカの4年制大学は、下記の3つのタイプに分けられます。どのタイプも「大学」と呼ばれていて、学生数が1,000人以下の小規模校から、5万人以上の大規模な学校までさまざまです。
【4年制大学の入学条件】
大学学部に出願する場合は、高校卒業(準備段階では見込みも可)が第1条件。留学に必要な学力は学校によって多少異なるが、まず一定水準以上の学業成績が求められる。一般的に、成績証明書の学業成績を平均点で換算したGPAが使われ、大学学部留学ではその平均点が最低C以上(GPA 2.0以上)必要。GPAのほかに、SATやACTなどの適性能力テストの受験を義務付けている大学もある。必要な英語力はTOEFL iBT 61以上/IELTS Band 6.0以上/英検準1級以上
リベラル・アーツ・カレッジ
- 一般教養全般に重点を置き、大学院進学に備えるための大学
- 幅広い教養を身につけることが目的
- 学生数1,000~3,000人の小規模校が多い
- 少人数制で丁寧な指導
- 公立大学よりも授業料は高めに設定されている
総合大学
- ユニバーシティとカレッジがある
- ユニバーシティは、研究者の養成を目的として博士課程まで備えている
- カレッジは比較的小規模で、大学学部や大学院の教育に重点を置いている
- 公立と私立の総合大学がある
専門大学
- 専門分野重視の大学または単科大学
- ビジネス、建築、音楽、アートなど、特定分野のコース
4年制大学では、ほとんどの大学が1~2年次に教養科目を履修し、2年次後半から3年次前半までに専攻科目(Major)を決めるシステムです。学部課程は一般的に4年間で、修了すると学士号(Bachelor’s degree)が取得できます。学士号の種類には、Bachelor of Arts(B.A.=文学士)、Bachelor of Science(B.S.=理学士)などがあります。ただし、薬学・工学・建築などの専門分野では、学士号取得までに5年かかるケースも。
アメリカでは「2年制大学から4年制大学へ」「4年制大学からほかの4年制大学へ」など、編入学が盛んに行われています。学期ごとに入学を受け付けており、日本の大学・短大からの留学だけでなく、留学したアメリカの大学から他大学への編入学も可能です。また、途中で休学して30~40代になってから復学や修了をするケースや、修了後に社会に出てからもう一度大学に戻るケースなど、日本よりもあらゆる面でオープンに大学進学・復学が行われています。
大学学部留学に必要な学力
アメリカの大学学部課程に進学するには、高校以降のすべての教育機関で発行された成績証明書(Transcript)を提出する必要があります。成績証明書をもとに、GPA(Grade Point Average=成績の平均点)を算出します。学部課程では、一般的に平均点がC以上(GPA 2.0以上)必要です。
