小・中・高校で
学ぶ
オーストラリアの初等・中等教育(小学校~高校)は12年制で、各州によって管轄されています。義務教育は15歳(または16歳)までで10年生で修了します。オーストラリアの学校は通常4学期制を採用しており、1月末に新学期が開始し、4月~6月、7月~9月、10月~12月の各学期に分かれています。
小・中・高校
の概要
オーストラリアの小・中・高校の約7割を占める州立校は、ほとんどが共学です。また、私立校の約3分の1は男女別学。州立校は基本的に無宗教で、私立校には宗教系の学校もあります。クラスの生徒数の平均は20~30人、授業時間は9時~15時半、完全週休2日が通常となります。
学年制度

小学校
一般的には1年間の準備学級を経て、1年生~6年生(7年生)までが小学校とされています。オーストラリアの小学校では、生徒の適正や習熟度などを考慮したうえで在籍学年を決定し、得意科目を伸ばし、同時に苦手科目を補強する教育を実践しています。また、変化する情報化社会に適応できる能力を養うために、低学年からパソコンやタブレットなどを使ったITを活用した教育が積極的に行われています。
「教科書に頼らない」教育が行われており、各教師が自由に教材を選び、カリキュラムを設定しています。「覚えること」よりも「考えること」を教育の主体とし、ディスカッションやプレゼンテーションなどを通じて、それぞれの生徒が自分の意見を持ち、発言する力をつけられる授業が行われています。そうした教育環境で、生徒は豊かな人間性と確かな基礎学力を身につけ、学ぶ楽しみを知ることができます。
州によって違いはありますが、小学校では国語(英語)、算数、理科、技術、社会研究・環境、保健体育、芸術、外国語の8科目が必修科目です。
入学条件
州や学校によっては、入学時に日本の学校の成績証明書や英語力の証明を求められます。州立校の場合は、基本的に保護者の同行や血縁のガーディアン(保護責任者)指定が義務付けられています。州によって保護者同行の条件は異なるため注意しましょう。入学条件は州や学校によって異なるため、志望校に確認してください。
英語力のトレーニング
英語を母語としない生徒に対して担任教師がサポートを行うほか、多くの学校が補習英語クラスを実施しています。通常の授業を受けながら参加でき、授業に対応できる英語力が身につくように、専門の教師がサポートしてくれます。
中学・高校
中学・高校では、生徒のスキルや興味を優先するために、多彩な科目が取り入れられています。学習科目には、国語(英語)、数学、社会、科学、環境学、外国語、コンピューター、保健体育、技術、家庭科、音楽、芸術、演劇などがあります。また、多文化国家オーストラリアでは外国語教育が盛んで、さまざまな言語が教えられており、なかでも日本語は人気があります。将来のキャリア・就職をふまえた実用的な科目も多く、希望に応じてワーク・エクスペリエンス(職業実習)の機会も用意されています。
高学年になると生徒の希望に合わせた選択科目が中心になり、12年生では科目の取り方によっては自主的に勉強する自習時間が増えます。なかにはカレッジや大学などと協力・連携している学校も多く、在学中に11年生または12年生でカレッジの資格であるCertificateⅠあるいはⅡも取得可能です。
オーストラリアには日本のような形式の大学受験制度はないが、進学希望者は12年生修了前に各州の「統一高等学校資格試験」を受けます。その試験での点数や高校の成績をふまえて、大学の入学審査が行われます。また、国際バカロレア(International Baccalaureate)*コースを実施している学校もあります。
*世界120以上の国々で認められている国際的な大学進学資格のこと
入学条件
中学・高校への入学条件は、学業成績と英語力が必要です。学業成績は、通常5段階評価の平均3以上が必要。英語力が十分でない場合は、学校の指示に従って英語の補習コースで勉強することになります。
英語力のトレーニング
通常、一般クラスに入る前に学校付属の英語コース、または学校が提携している英語学校の進学・編入学準備コースでトレーニングを受けます。このコースでは集中的に英語力を高め、学校生活に対応できるようにさまざまな指導が行われます。期間は英語力によって異なりますが、およそ半年から1年程度で、次の学期の初めから編入します。また、一般クラス編入後も、英語のトレーニングやサポートが受けられます。
ターム(1学期)留学
「1年以上の留学は難しい。でも短期では物足りない」という人におすすめなのが、1学期(約10週間)からのターム留学。オーストラリアの学校や日常生活を体験しながら、英語力をつけることが可能です。オーストラリアは4学期制で、各タームの開始月は1月・4月・7月・10月。特に7月に開始されるタームは日本の学校の夏休み期間なので、学業の遅れを最小限にとどめられます。日本の学校長の判断で、36単位を限度にオーストラリアで取得した単位が日本の学校の卒業単位として認められます。