【ガイドブック特別対談】留学経験者が語る「私のキャリアとオーストラリア」

『オーストラリア留学ガイド2022-2023』の特別対談として、今回は「キャリアとオーストラリア留学」をテーマにして2名の方にお話を聞きました。対談の一部を動画でも公開しています。

工学院大学工学部(現:建築学部)を卒業後、メルボルン大学大学院に留学。建築デザインを学び、在学中は数々のコンペで賞を獲得。卒業後は三菱地所設計に約5年間在籍し、現在は日建設計新領域開拓部門の越境するデザイン集団「NAD(NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab)」に所属。

佐野 勇太さん

工学院大学工学部(現:建築学部)を卒業後、メルボルン大学大学院に留学。建築デザインを学び、在学中は数々のコンペで賞を獲得。卒業後は三菱地所設計に約5年間在籍し、現在は日建設計新領域開拓部門の越境するデザイン集団「NAD(NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab)」に所属。
東京都内の高校を卒業後、クィーンズランド大学の進学準備コースを経て人文科学部比較文化/スペイン語学科を卒業。現在はデジタルマーケティング会社のディレクターとして働きながら「留学後、どうしてる?(https://ryugakugodoushiteru.com/)」の聞き手を務める。

矢萩 稜子さん

東京都内の高校を卒業後、クィーンズランド大学の進学準備コースを経て人文科学部比較文化/スペイン語学科を卒業。現在はデジタルマーケティング会社のディレクターとして働きながら「留学後、どうしてる?(https://ryugakugodoushiteru.com/)」の聞き手を務める。

Q. オーストラリア留学のきっかけを教えてください

佐野:大学在学中、卒業後は海外の大学院に進学しようと考えていました。縁があってロンドンの有名建築事務所のスタッフと知り合うことができ、その人がメルボルン大学院の卒業生だったため、授業や設備環境、教授の経歴などいろいろなことを教えてもらう中で、メルボルン大学院への留学を決めました。

矢萩:私は高校時代に世界史や海外の時事問題を勉強する中で、実際にそこで暮らしている人々がどう感じているのかを直接聞きたい、知りたいと思っていました。多文化の環境に身を置けば学びを深められるのではないかと、大学留学を考えはじめました。オーストラリアを選んだのは学費と教育システムですね。大学数が少ない中で教育水準が高く保たれていて、他の英語圏の国に比べて学費がリーズナブルです。それに私は海外で生活した経験もなく、いきなり大学の学部に入るのは不安で…。オーストラリアは準備コースから大学に進学したり、ディプロマ後に学部2年目に編入できたりと、段階を追って進学できるため、私でもやっていけるのではないかと思いました。

Q. 留学中の苦労した経験が 今の仕事で生きていると思いますか?

矢萩:留学初期、授業がまったく理解できないことがありました。教授に伝えたところ「そういわれても同じ授業を君のためだけにはできない」と返され、自分の努力が必要なことを痛感しました。それからは「わかること」「わからないこと」を整理するようになり、そのうちに自力で解決できることも増えていきました。その経験があったからか、今では仕事関係者に「最後までやり遂げることができる」と評価してもらえることが多いです。

佐野:私も似たような経験があります。メルボルン大学院では週に10冊分の資料を読んでエッセイを提出するなど、大量の課題が出されます。結局2-3冊しか読めないときもありましたが「毎週エッセイを提出する」ことを繰り返していくうちに、テーマに関わる部分だけを抜粋して読む力がつき、物事を整理して優先順位をつけられるようになりました。仕事でも限られた時間で複数のタスクを果たす必要があるため、その経験が役に立っています。

矢萩:あと、留学先では私のことをだれも知らないので、自分の意志を明確に相手に伝えながら行動していく必要があるんですよね。そういう姿勢は仕事にも生きていると思います。

佐野:わかります!仕事でも新しいクライアントがいて、新しいプロジェクトがあって、ゼロからスタートしなければいけない場面がたくさんあるので、留学でそういう経験ができるのは強みですよね。

Q. どのように就職活動を進めましたか? オーストラリアで働くことも考えましたか?

矢萩:私は留学前から「日本のメディアで海外文化を発信する仕事がしたい」という想いが強かったので、オーストラリアで働くことは考えなかったですね。もっといろいろな選択肢があったかもしれません。でもその想いは一貫していたので、(クイーンズランド大学がある)ブリスベンの留学生アンバサダーになって情報発信をしたり、地元のラジオ番組のパーソナリティーを務めたりと、留学中もブレずに積極的に動くことができました。帰国後に就職の面接を受けたときも、とにかく異文化が好きだということをアピールしました。

佐野:私の場合、海外で就職するのも選択肢のひとつでしたが、最終的には日本での就職を決めました。面接時のプレゼンやポートフォリオ発表の際は、すべて英語でやらせてもらいました。というのも、留学中に英語で考えた作品なので日本語化するのが難しくて(笑)。

Q. オーストラリアに留学して身についた力は?

矢萩:日本人同士なら説明なしで共通理解できることもオーストラリアでは通用しないので、相手をよく見てわかるように伝える力、コミュニケーション能力が留学によって飛躍的に成長したと思います。現在私はクライアント、営業、カメラマン、デザイナーなど、さまざまな人をつなぐディレクターの仕事をしています。どうしたらわかりやすく伝えられるかを常に考えながら、同じ情報でも相手によって伝え方を変換し、コミュニケーションを取るように心がけています。

佐野:同感です。だれも知らない環境で生活をしなければいけないので、コミュニケーションの力はつきましたね。また、相手のいろいろな面を考えてポジティブな見方ができるようになりました。留学中はグループワークが多かったのですが、グループメンバーのひとりに資料集めや議論に参加せず、プレゼンになると自分がやったかのように話すメンバーがいて、最初は「自己中心的だな」と思うこともありました。しかし、彼は人前で話すのが好きで、彼なりに「チームに貢献できることは何か」を考え、プレゼンをしてくれたのだろうなと。現在も仕事でいろいろな人と会いますが、一見理不尽だと感じることも相手の立場になって考えてみると、ポジティブな見方ができることを学びました。

矢萩:留学中は本当にいろんな人に出会いますよね。私自身オーストラリアに行って、価値観の違いに悩む時期もありましたが、壁を乗り越えてさらにパワーアップできるのが留学の醍醐味のひとつだと思います。私は現在「留学後どうしてる?」というプロジェクトで多くの留学経験者に取材しています。オーストラリア留学を経験した人たちは治安・気候・環境などをふくめた「住みやすさ」をオーストラリアの魅力として挙げることが多いです。その「住みやすさ」があるからこそ、さまざまなことにポジティブな気持ちでチャレンジできるのだと私は思います。

対談の一部を動画でご覧いただけます

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